ビビりな私の台湾日記

ビビリな私の海外奮闘記です、台湾のあれこれ是非ご覧ください

難しい、難しすぎる。

こんなに複雑な気持ちになってしまうのは、なぜだろう。

この話を聞いたとき、不思議と胸が苦しくなった。

 

台湾と中国がもめていることは、台湾留学に来る前から知っていたけれど、

こんなところまで影響が及んでいることは知らなかった。

 

中国は、台湾は中国の一部だと主張している。

 

今でも、台湾の領空に、中国軍機が侵入してきているというニュースを連日目にする。

その度にまた、なんとも言えない気持ちになってしまう。

 

体育の授業や、街中で、スポーツのユニフォームを着ている人たちをよく目にする。

日本であれば、『JAPAN』と表示されている。

そのままの感覚で表すとするならば、

台湾の表示は当然『TAIWAN』

 

しかし、台湾人が着ているユニフォームには、『TAIWAN』の文字はない。

国を表すために、腕や背中の文字に書かれている文字が『TAIWAN』ではないということだ。

では、なんと表示されているのか。

 

『Chinese taipei』

 

これが示す、意味がわかるだろうか。

この文字の裏に、複雑すぎる事情が隠されていることを、

平和ボケした日本人の脳みそでは到底理解し難かった。

 

「なぜだろう?」

台湾に来たすぐの頃からずっと気になっていた。

しかし、どこかこの問題に触れてはいけないような気がして、

なかなかこの疑問について向き合う勇気が出なかった。

私がこのことについて真剣に考えるようになったのは、ごく最近のことだ。

思い切って聞いてみた。

 

台湾には、政府がある。

国というのは、住民が居て、領土があり、主権及び、外交能力があれば成り立つものだ。

台湾には、台湾独自の中華民國憲法がある。

それでもなぜ、

『Taiwanではなく、Chinese taipei』

と書き表されているのか。

 

友人はとっても親切に教えてくれた。

「中国は、台湾を自分たちの国の一部だと考えているため、

世界規模などの大きい大会に出場する場合、
Chinese taipei  の文字表記をすることになっている。

なっているというか、させられていると表したほうが正しいだろうか。

以前のWHOも同様だ」と。

 

いわば究極の選択をさせられているのだ。

出場を棄権するか、もしくは『Chinese taipei』を使用するか。

 

「台湾人は『TAIWAN』表記を希望しているのか?」

という私の質問に対しては、

「大多数の人が、希望しているけれど、どうしようもないことだ、

現時点では、 Chinese taipei 表記でなければ出場できない、我慢するしかない」

と言っていた。

また、「同じく多くの人が中国人になりたくない、台湾人として生きていきたい、

だからみんな政治や選挙に関心があるんだよ」

と答えてくれた。

 

台湾と中国の件について、

立ち入って聞くことによって友人を不快にさせてしまうかもしれないと思ったけれど、

そんな私の心配をよそに、むしろとても喜んでくれた。

「台湾について知ってくれようとしているから、台湾と中国についての話を共有できて嬉しい」

と。

 

もしかすると、

「はい、あなたたちは明日から違う国の人としていきていってください」

そんな状況になってしまうかもしれないという

不安や恐怖を考えてみたけれど、

到底理解しきれる問題ではなかった。

なぜか、複雑な気持ちになった。

私は日本人として生まれて、日本人として生きて来た。

世界に対して何かを発信するときに、『JAPAN』を使ってはいけない、

そういった状況になること自体が理解できなかった。

 

歴史的な背景があって今の状況になってしまっている、

一概にどこかが悪いとも言えない状況だ。

しかし、1つ言えることがあるとするならば、

『自分の母国を必死に守ろうとしてる台湾人はカッコいい』ということだ。

 

台湾留学にきて考えさせられることがたくさんある。

日本にいるだけでは到底考えないだろうことも考える機会がある。

 

物事に対する価値観も、捉え方も、考える上での視点も養うことができている気がする。