台湾の食生活
『台湾は外食文化』
これはよく耳にする話。
その通りだ、間違いない。
私が台湾に来る前、親戚や知り合いから
「ご飯は大丈夫なの?」と『食』に関する心配をよくされたけれど、
「どうなんでしょう、、外食かな、、、」と答えると、
「でも、寮生活なら心配ないね」と必ずといっていいほどこの返答をされたが、
大学の寮といえども、自炊できる様に共同キッチンがあるわけではない。
かといって、寮生のための食堂のようなものがあるわけでもない。
『じゃあ食事はどうするの?』
当然この問題が出てくる。
答えは簡単。
『外食』
学校の近所の食堂や、ローカルない店で食事を済ませる。
朝も、『早餐店』と呼ばれる朝から昼過ぎまで営業している朝ごはん屋に行く。
この生活スタイルになると、
朝はパンか蛋餅(ダンビン)、昼はコンビニか餃子、夜は麺類。
小麦尽くしの食事になってしまう。
それでも構わない人は問題ないかもしれないが、
私は小さい頃から米で育ってきたので、
この生活がどうもキツかった。
白米を食べることができる機会は週に1回あるかないかくらいの頻度で、
以前の毎日の口癖は「白米が食べたい、、、」だった。
そして、1人暮らしをして『自分で食事を作ること』が微かな楽しみだった。
1年間の寮生活が終わって、ありがたいことに1人暮らしをさせてもらうことになったので、
自分の家で食事を作ることができるようになった。
しかし、一人暮らしの家だとしても、余程高額な家賃を支払わなければ
キッチン付きの部屋などない。
日本で考えてみれば、安い家賃でも、流し台と水道、IHやガスコンロ1つくらい置くことができるスペースはあるはずだけれど、台湾は違う。
ここから自分の家をどう快適なものに変えていくのかは自分の考え次第
お金はかかってしまうが、IHなんかは自分で買い揃えなければ、自炊はできない。
流し台はないので、洗面台で代用している。
アイディア次第でどうにかなるものだ。
幸いなことに、小さい頃から『料理』を祖母や母から教わっていたので、
その面に関しては全くの不自由がない贅沢な生活をさせてもらっている。
スーパーで買い物をして、小分けにして冷凍保存したり、祖母や母の家での様子を思い出しながら。
初めのうちは調味料なんかも買わなければいけないので多少は高くなってしまうけれど、
自炊を初めて、摂ることができる野菜も格段に増えたし、お味噌汁とお米を食べることができるようになったのも幸せポイントの一つ。
外食だと多くて1食100元=1日300元
自炊だと、一回の買い物で3〜4日分:300元〜で済む。
外食の方が安くすみそうだけれど、
長く続けるのなら、自炊の方が格段に安くすみそうだ。
(まだ始めたばかりで実験段階)
1人暮らしを始めてからというもの、友人がよく私の家にご飯を食べにくるようになった。
「美味しい〜」そう言いながら完食してくれる姿を見ると、
この上なく幸せな気持ちになることができる。
私の味付けは、全て目分量なので、
料理上手な祖母と健康志向の母の両方とが混ざり合った味付けだ。
自分の味を褒めてくれると、祖母や母のことまで褒めてくれている気がして余計に嬉しい。
きっと、小さい頃から教わっていなかったら、
いまだに私はコンビニか外食の小麦つくしの生活だったろうと思う。
祖母と母に感謝しなければ、、、
離れてから、実際に自分でするようになって、
『母親は偉大だな』そんな思いが強くなった。
毎日毎日、家族のために食事を作り続けることができるアイディア量と
家族への愛情は生半端なものではないなと実感させられる。
自炊をするために、スーパーへ行った時、
自然と海塩と黒糖が自分のカゴに入っているのを見て、
『素敵な母に育てられたな、、気づかないうちに同じように育ってるんだ』と思って胸が熱くなった。